アリアドネでは2006年3月上旬、つぎのようなアンケートをおこないました。

おこたえくださった多くのかたに、心から御礼もうしあげます。


アリアドネ・アンケート

「ご自分の専門分野の記述に関して、ウィキペディア日本語版をどう評価されますか?」

アリアドネでは、インターネットをつうじた新しいリファランスのありかたについて、個人の立場からながらく考えてきました。なかでも、現在世界で急速に発展しているウィキペディアは、昨2005年には英語版の記事の信憑性について批判がなされたいっぽう、科学的な領域の記述に関しては、専門誌『NATURE』の12月15日版で比較的肯定的な結果が報告されてもいます。

ほかの多くのオンライン事典が、有料契約制や深層性などのために汎用検索サイトから直接検索をおこなえない状況はいまも打開されておらず、アクセシビリティーにおいてあきらかな優位をそなえるウィキペディアの推移はその記述の質・量ともに注目されます。2005年末には日本でも、『ホットワイアード・ジャパン』が12月20日のテーマとして「Wikipediaを信頼してる?」という興味深いオンライン投票をおこなっていました。2006年2月末の時点で「Yes: 1041/No: 388」と、肯定的な回答が多かったことが印象的でした。

ただ、本来、事典や記事の記述について評価をおこなうことができるのは、よく知っている分野についてであるという見方もできます。ところが、自分が専門的な知識をもっている領域について、基本的なリファランスを参照することは日頃あまりおこないません。

そこで、逆に自分の専門分野について読んでみた場合、いまのウィキペディアについてどのような感想がうまれるのかと考えるようになりました。あくまで一人のネットユーザーとしての素朴な問いですが、ふだんアリアドネをお使いくださっているかたがた、あるいはこのアンケートページをご訪問くださったかたがたに、おなじようにお尋ねしたいと思います。ご自分の専門分野の記述に関して、ウィキペディア日本語版をどう評価なさるでしょうか。 「この領域は知っている」という分野の記事をお読みになって、気軽にご参加いただければ幸いです。

2006年3月1日

人文リソースサイト アリアドネ 二木麻里

「アリアドネについて」


ご自分の専門分野の記述に関して、ウィキペディア日本語版をどう評価されますか?

基本的に正確: 26 / 問題が多い: 33 / どちらともいえない: 18

得票分布

得票分布パイグラフ 基本的に正確: 26 / 問題が多い: 33 / どちらともいえない: 18

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これまでのコメント

問題が多い / 70-79歳 / 教育 / 女性 ( 2006-03-19 02:55:31 )

ウィキペディアが言語間の戦争であることを忘れた平和ボケした自称学者が多いことに落胆している。
ウィキペディアは善意で成立するシステムであり、悪戯に対して脆いシステムであることを忘れている。
優れた情報は対価を求めない。
一定水準以上に達した項目ほど監視の目が行き渡る。
一度でも悪戯の入った記事は監視対象になる。
ネットでは耐性を持たない情報は生き残れない。

問題が多い / 30-39歳 / 男性 ( 2006-03-16 18:27:03 )

嘘だらけなのは英語版も同じだが、記事と言えないようなリスト記事やテレビ番組やマンガ・アニメ・声優の記事をはじめとするサブカルチャーに属する記事が多すぎ、英語版よりさらにレベルが低い。この事典を「使う」人がいるということが不思議だ。

問題が多い / 30-39歳 / 現代ドイツ思想・政治学 / 男性 ( 2006-03-16 00:57:52 )

これでは日記か落書きではないかと思う水準の記述が目について唖然とした。思想家や政治家については、書き手の個人的な好悪も見え隠れする。これでいいなら書き込む側は気楽だろうが、「百科事典」という名称は混乱を招く。「メモ書き掲示板」といった定義をするほうがいい。それなら、読むほうもあやまった幻想を抱かずにすむ。

研究所や大学、大手企業ではネットの事典サービスや情報サービスを組織として契約しているところもあり、所属している間は有料の情報資源を日常的に比較参照できる。そうした立場にない場合は、信頼できるレファランスサービスにあたれないとしたらまずい。これでは情報格差を埋めるより、拡大することになってしまう。私も、ウィキペディアはそれとして、別に本格的なオープンレファランスの企画があるべきだという意見に賛成する。ちゃんとした運営であれば執筆者として参加したい。

どちらともいえない / 70-79歳 / 労働問題、日本近代史 / 男性 / 二村一夫 ( 2006-03-15 22:15:02 )

専門の労働史関係は、項目の絶対数が少ない上に、不正確な事実が記されていたり、内容的に不十分な記述が目立ちます。その限りでは「問題あり」に近い立場です。ただ現にある労働組合組織の解説など、現状に関する情報提供を主とする項目は、役員氏名など、活字本にくらべ、より新しい事実が記されているようです。全体として玉石混淆、ただし石の方が多いなーという印象をもちます。
批判するなら執筆に参加せよという意見は正論だと思いますが、無署名で、後の執筆者が自由に編集できるシステムでは、私自身は参加することに躊躇があります。国際的に展開されているもので日本だけでこうした仕組みを変えることは難しいでしょう。ウィキペディアとは別のオンライン百科辞典の企てがあっても良いのではないかと考えます。

問題が多い / 40-49歳 / 美学・芸術学 / 男性 ( 2006-03-15 14:57:20 )

同様の指摘が出ていたが、断片的な知識の貼り合わせ以上にはなっておらず、「内容」というにも足りない。この分野はとくにまだ項目だけというものも多い。ウィキペディアが発表している「項目数」を無批判に受け止めて既存の辞典類と比較することはひかえる必要があるだろう。

さらにいえば、信頼するに足るといえる内容を構築し、それを維持していくためには、現在の書き込みの仕組みに根本的な限界があると考えざるを得ない。学問的な観点からみて精密な内容をアップしても、それらは自由に書き換えられてしまう。これでは責任をもった参加の仕方ができないし、充分な知識をもった執筆者に意欲をうながすものとは到底いえない。最低限、本人同定がおこなえるしっかりした登録制度をつくり、署名執筆の原則を導入することを強く勧めたい。

どちらともいえない / 能楽を主たる対象とした表象文化論 / 女性 / toki-ho ( 2006-03-15 09:10:15 )

私もWikipedianのひとりですので、純粋に客観的なことはいえないのですが、伝統芸能に関して述べますと、「能」は、きちんとしています。ほか、「浄瑠璃」「地歌」「河東節」など、専門家の手がはいったと思われる信頼に足る記事があります。(名前をあげた項目は、私自身が執筆にかかわらなかったものです) 伝統芸能に関してはいわゆる「あらし」がはいりにくいということもあり、しっかりするのだと思うのですが、歴史上の人物関係記事には、かならずといっていいほど鄙説がはいってまいります。小説、ゲームなどの影響が多いのでしょう。これはある意味おもしろい事象だと私は思います。つまり、「人は、自由に書ける場で、なぜこのように書きたがるのか(なにを信じたがり、なにを信じさせようとするのか)」という興味をもって読んでおります。

問題が多い / 40-49歳 / 教育 / 男性 ( 2006-03-13 15:25:54 )

各教育機関に関する記事が目に余る。個別の学校を以下に素晴らしいものに見せるかの競争となっていて記事の正確性や中立性はすっかり抜け落ちている。最近大学の記事は良くなってきているがまだまだだめな方が多い。

問題が多い / 30-39歳 / ユダヤ史 / 男性 ( 2006-03-12 08:14:45 )

当然のことですが、民族をテーマとする記述は、当該民族による視点だけではどうしても正確な記述が保証されないので(都合が良いことしか書かなくなる傾向があるため)、別の視点による記述も必要になります。しかし、ウィキペディア上のユダヤ関係の項目は、ユダヤ民族の立場に立った偏った記述しかされておらず、学問的な批判に堪えられるものではありません。
多数の人の筆が入ることによって中立性が担保されるのがウィキペディアの利点という宣伝もされているようですが、ユダヤ史に関してはそのようなことはありませんし、そもそも中立性以前に正確性に問題があります。どこででたらめな知識を仕入れたのか聴いてみたいものです。

基本的に正確 / 20-29歳 / 発生工学 / 男性 ( 2006-03-09 11:09:27 )

馬鹿には手出しできない。ある意味聖域。それから性科学の素人は口を出すな。

問題が多い / 20-29歳 / 性科学 / 男性 / 斎藤 ( 2006-03-08 23:19:41 )

性科学が不当に抑圧されている。

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